龍瞳ーその瞳に映るもの
穏やかな時間が流れる。
一番、俺たちに遠かった時間。
ナノハが運んできた時間。
それは刹那の安らぎだとわかっていても
今は身を任せたい。

ほんの数日前、鬼神と化したアズでさえ
笑みを浮かべ時間に身を任せている。

ナノハの知らないイクヤと美緒の末路。

莫大な利益と今回の一連の事は封印という交換条件にイクヤの事は闇に葬る事で片付いた。
ただ、こんな事があった後でも
イクヤの美緒への執着は変わらなかった。
親の反対や世間体、何があるのかは
俺にはわからない。
イクヤの何かが美緒を手放せないでいる。
イクヤは言った。
一生飼い続けるつもりだ、と。
その意味をわかるつもりはない。

美緒にとってはそれが生きていく唯一の手段なのかも知れない。
美緒に言い放ったアズの言葉は
美緒を奈落の底に突き落とした。

「最初からお前とナノハは勝負がついていた」

プライドの高い自己愛の塊の美緒。
ナノハに対してそれは顕著。
そんな美緒に知らしめたナノハへの
アズの愛の重み。


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