先生のことなんて好きにならない!
今度は早歩きになった先生。
大股でずんずん歩くものだから、景色の流れるスピードが速い。
「どうして早歩き…」
そう言いかけたところで車について、後部座席に降ろされた。
何も言わず無言で運転席に向かう先生。
エンジンがかかり、助手席に置かれてあった毛布を渡された。
助手席に毛布が置かれてあるのが、ちょっとかわいい。
それに、渡された瞬間先生の匂いがする。
「誰にだって優しくしてる訳じゃない。少なくとも七瀬は周りとは違う」
「でも、先生、実習生と仲良くしてた」
こんな子供っぽいことが言いたかったんじゃない
「先生、私、先生のこと好き」
ああ、言ってしまった。もうこれで後戻りは出来ない。