世界が晴れるように君の心が輝くように。


咲原くんは、案外普通な顔で学校に来た。

「お、おはよう」

ぎこちなく挨拶してもいつも通り。

『おはよう、黒川さん。』

ニコニコ笑う、彼。


『陽向っ!お前、紗由理になんかされた?』


「彼方!」


『なんにもないってば、ね?黒川さん』


「...うん」



咲原くんは何も無かったように私に接してきた。


不思議だった。


本当に咲原くんは普通の顔をしていたから。





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