イジワル御曹司のギャップに参ってます!
「……何か?」

ちょっと攻撃的で刺さるような声。いつも通りの氷川だ。

「いえ……」

そのいつもどおりが今は苦しく感じられた。
だって、青山さんに対しては、そんなに鋭い口調を投げたりはしないから。
私だけ、なのだ。氷川がはっきりと嫌悪感を表に出す相手は。

私はもごもごとしながら、どうしようもない質問で間をつなぐ。

「……二度目は、どうだった?」

私の質問に氷川は「別に……」と冷たく前置きしてから答えた。
「一緒ですよ。一度目と。当たり前でしょう」

「……そう」

ズキっと、胸の奥で気持ちの悪いものが揺れ動いた。

一緒? 一度目と?

私と一緒でも、青山さんと一緒でも、結局は一緒ってこと?

だって、言ってたじゃない。
――『あなたが隣にいたから、俺は感動することが出来たんだ』――

愛おしいと、守りたいと感じたのは、私のときだけじゃなかったの?
結局は誰でもよかったの? 青山さんでも、一緒なの?

それじゃあ。

青山さんにも、キスしたの?


そう口から出かかって、慌てて言葉を飲み込んだ。

馬鹿だな、私。

これじゃあまるで、青山さんに嫉妬しているみたいだ。
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