すきなのに!!
あたしが膨れていると部屋の扉が勢い良く開いて外から茉央ちゃんが走り込んで来た。



お馴染みのスマホを手にして鼻息荒く髪を振り乱してあたしの両肩を掴んだ。




「茉央ちゃんなんでここに?てか今はキミと話す気にはなれないというかなんというか…」



「こんにちはー」





あたしがぶつぶつ言っている間に今日も爽やか元気な晶くんが部屋に入ってきたからあたしは目だけで晶くんに助けを求めた。


隣にいるどっかの甘党野郎はアテになりませんからね!!



晶くんはあたしの前に立ちはだかるミーハー少女を見てあんぐりと口を開けた。





「ね、姉ちゃん…」


「えっ?!茉央ちゃんって晶くんのお姉ちゃんなの?!妹にしか見えない!!」


「栞先輩って超ストレートっすね」





とても姉弟には見えないよ。


もはや晶くんの言葉なんて聞こえてない。




茉央ちゃんは特に気にする様子もなく、「晶のことはどうでもいいんだけどね!」と叫んだ。さすが自由人。ここまで来ると尊敬するわ。



茉央ちゃんはやけにニコニコしながらあたしの目の前にスマホをででんと掲げた。




カレンダーのとある日付に『合コン!!』と書かれていて、あたしは「…はい?」と首を傾げた。
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