すきなのに!!
「合コン…」


「さっき言ったあたしの運命の人の学校との合コンが開催されることになってね!そんでもって運命の人も来るんだってー!!」


「あぁ…よかったね」





あーよかったよかった。これでめでたくくっついて仲良くしてください。



安堵のため息をついた瞬間、茉央ちゃんの大きな瞳がギラリと光る。


あたしは嫌な予感がして後ろに下がろうとしたけど、あ!いけない!!ソファーの背もたれが後ろにあった!!



茉央ちゃんは「ふふふ…」と不吉な笑みを浮かべて笑う。



あたしは反射的に体を仰け反ってできるだけ茉央ちゃんから離れようとしたけど、




「逃がさないよ~…ふふ…うふふ」


「ひぃっ!!」




茉央ちゃんの恐ろしさに耐え切れず、あたしは慌てて背もたれに手をかけて後ろ飛び上がってソファーから降りた。


颯くんは「おぉー運動神経だけはいいよね」と感心してるのか馬鹿にしてるのかわからない発言をする。




それでも茉央ちゃんは諦めずにあたしの腕を掴んできたのであたしは「うぎゃあああ!!」とこれまた乙女らしからぬ叫び声をあげてしまった。



茉央ちゃんは頬に手を当てて完璧に作った笑顔であたしに微笑む。


これが1番怖いよね。笑ってんのか怒ってんのかわからないヤツ。




「栞ちゃん、一緒に合コン行くよね?」


「い、いや…」


「え?なんつった?」


「い、いいい行きますぅ…」


「いい子いい子」





ああ、完敗だ…。





だけどあたしはそのとき気づかなかった。



あたしと茉央ちゃんのやりとりを聞いて、何かを企む輝と颯くんと朋稀の性悪トリオの意地悪そうな笑顔に…。




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