すきなのに!!
な、なんか突っ込まれたんだけど!!

いやいやあたしが突っ込みたい。
話に全然ついていけないもん!



「…ほなはっきり言うけど、」


「え?ちょ、ーーーっ?!」





透にいきなり引き寄せられて気を抜いていた恭ちゃんの手があっさり離れて綺麗な顔が一気に近づく。



するとさっきまでざわついていた不良の声が聞こえなくなって、今度は全員ニヤニヤし始めた。



後ろにいたはずの恭ちゃんは哲ちゃんたちのところに戻っていた。


哲ちゃんは亜弓と共にニヤニヤしながら恭ちゃんの肩やら頭をなでなでしている。「どんまい」って口が動いているのが見えた。




「……っ」




こ、これはやばいな。
ちょっとでも動いたら…く、唇が…。



思わずぎゅっと目を瞑ったとき、外にいた不良数名の奇声が聞こえてきたので透が少しだけ離れた。



ひーひーふー。
心臓フル稼働でどうなることかと思った。




奇声が聞こえてきてから数秒後ーー…




バァァァァン!!という凄まじい音と共にドアが勢いよく開いて、中に入ってきたのは……。














「俺らのお友達、返してもらおうか」









ーーー朋稀たち、西華の不良だった。







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