メールが届きました。
―――入学式。
これから始まる華のJK時代への期待を胸に
新しい制服を着て学校へ向かった。
梓「いってきま~す」
梓母「あず、忘れ物はないの??」
ない…はず。
そう心で思っただけで、何も返事はせずに
急いで家を飛び出した。
特に遅刻しそうな時間帯なわけでもなく、
ただただ、楽しみで早く学校に行きたいだけだ。
私がこれから3年間通う星学高校。
割と有名な進学校でもあり、部活動の成績も
かなりいいから倍率が毎年高い。
今年は倍率3.5倍という激戦を通り抜けた
200人のうちの1人である私。
家から学校までは少し遠いから、憧れだった電車通学。
ドア、閉まりま~す!!という駅員さんのアナウンスが
聞こえて急いで階段を降りて駆け込み乗車。
…よっしゃ。一度はやってみたかった。
『うわぁ~、星学の制服だ~!!いいなあ~…』
『あたし星学落ちたんだよね~』
そんな会話が聞こえてくる。
それだけ私がこれから通う学校は人気なのだなと
改めて実感する。
電車ではのんびりと音楽を聴きながら15分ほど揺られ
学校の最寄り駅で降りた。
最寄りなのに、時間が早すぎたせいか、
まだ同じ制服は見かけていない。