たった1人のシンデレラガール
「なんで選んでくれたん?」

櫻くんが聞いてくる。

「あ、いや…みんな名前も覚えれなくて
名刺の顔も実物と違ってよく
わかんなくて…覚えてたのが
櫻くんしかいなくって」

「なんやそれ!でもラッキー!
他にいい人はおったん?」

「いたんだけど誰かわかんない」

「いたんかいっ!でもいいや!
良かったら連絡先交換せえへん?」

「うん!いいよー」

私と櫻くんはLINEを交換した。

隣では愛莉と瑠華くんも交換したみたい。


お会計を済ませ、

「じゃ、行きますか。」

「カバン持つで!」

私のカバンをひょいっと持ち上げ、

エスコートしてくれる櫻くんと瑠華くん。

エレベーター前でカバンを受け取り、

乗り込んで私たちはお礼をした。

「ありがとう、ごちそうさまでした」

「ひめっ!連絡すんねっ!」

2人は笑顔で手を振っている。

…ひめ???

櫻くんが言っていたから私のことだろう、

でもひめってなんだ…?

聞く前にエレベーターが閉まってしまった。

「ひめってなんだろう」

「お姫様ってことでしょ!」

そっか、ホストクラブだもんね。

「初めてひめなんて言われたわ」

自分への"ひめ"の似合わなさに、

思わず笑ってしまった。


「普通に楽しかったね!イケメン多い!」

愛莉も楽しんでくれたみたいだ。

「これからどこ行く〜?」

「とりあえずどっかで飲み直そっか!」

私たちは、同じビルのいつもの

居酒屋へ向かった。
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop