真実の愛を見つけたい『I want to find the truth of love』

…医者だ


私は、
「乱暴は、やめて下さい。
病人なんですよ。」
と、言うと
「俺は、医者だ。
まあ、外科医だがな。」
「えっ?お医者様なんですか?」
と、言いながら目が開けた嵐君に
「嵐君に何かいる?」
と、訊ねておでこに触れると
「···何か···食べ····たい」
と、言うから
お粥を作り食べさせた。

嵐君は、雛みたいに口を
小さくあけるから
そこに少しずつスプーンを運ぶと
二、三口 食べて
「ありがとうございます。」
と、言うから

水分を与えて薬を飲ませて
体を拭いて着替えさせて横にした。

嵐君は、直ぐに眠りについた。

嵐君のお父さんは、
 黙ってずっと見ていた。

すると、彼のお腹が
グゥっ‥‥となり。

私は、
「クスッ」
と、笑いながら
「出来合いものですが
     食べられますか?」
と、言うと
「お願いする。」
と、言うから
彼に嵐君をお願いして
キッチンへ行き用意をした。

出来たので
彼を呼び、一緒に食べた。
彼は、
「俺は、吾妻 琉斗だ。
息子の嵐が世話になった。
仕事柄、嵐の事は、
家政婦に任せているが
今日は急用で
帰ってしまったらしい。
すまなかった。」
と、言うから
「嵐君のお母さまは?」
と、訊ねると
「妻は、亡くなった。」
と、言われて
「すみません。
   変な事をお聞きして。」
と、言うと
「構わん。
それより、旦那さんは良いのか?
嵐がいても。」
と、逆に訊ねられて
「夫は、居ません。
先日、亡くなりました。」
と、私は言った。

それから、少し話して
私は
「仕事は、
家ですることが多いので、
嵐君が治るまで
私に任せて下さい。」
と、話すと
彼は、
「ありがとう。」
と、言って帰って行った。
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