真実の愛を見つけたい『I want to find the truth of love』

…関心のない?父息子


嵐君が元気になるまで二週間かかった。

結城の主治医(岡宮先生)から
「もう、良かろう。」
と、言われて
ホッとした。

「嵐君、良かったね」
と、言うと
彼は、寂しげな様子で
「はい。」
と、言った。
「どこか、まだ痛い?」
と、訊くけど
彼は、首を横にふっただけだった。

それを見ていた先生が
「嵐君は、夢穂お嬢様と
離れるのが、寂しいのかな?」
と、言うと
嵐君は、びっくりした顔をして
先生をみた。
「図星のようじゃの?」
と、言うから
「本当に?」
と、私も訊くと
コクン、と頷いた。

私は、嬉しくもあり
恥ずかしくもあり
うふふっと、笑って
「いつでも、来て下さい。
お父様には伝えておきますから。」
と、伝えると
「本当に?」
と、言うから
「本当てす。」
と、言うと とても嬉しそうにして
先生に
「ありがとうございます。」
と、言うから
先生は、笑いだしていた。

そこに、ブザーがなって
吾妻さんが見えた。

あれから、吾妻さんは、
毎日、嵐君を見に来て
一緒にご飯を食べたり
家政婦さんが、作っている時は、
そちらを食べたりしていた。

殆ど、嵐君が寝ている時だから
翌日に、必ず、
「お父様、来ましたよ。」
と、話しはしていた。

嵐君は、父親の話をしても
余り感心がなかった。
吾妻さんも、そんな感じだから
少し心配だった。

吾妻さんは、先生をみて
「岡宮先生?」
と、言うと
「やはり、琉斗君か?
吾妻と言うから、そうではないかと
思っておった。」
と、言った
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