もう1度、あの恋を
奏太は、私の前の彼氏。
そう、中学生の頃の。
あの時は、みんなが子供で、気持ちも幼くて、
けど、今思うと"好き"と言う気持ちに変わりはなかった。
なのに、すれ違い。
いや、あれは私のせい……?
まあ、もう終わったこと、だし。
あの日を境に、奏太は私のことを避けてるけど、別に、どうも思わないよ。
過去の事は忘れよう。
そう決めているんだから。
「靴履き替えたー?」
朱里が、足をとんとんっとしながら私に視線を向けている。
「今行くー」
私は、パタンっと閉めてから、朱里の方へ歩く。奏太の横も普通に通る。
だって、忘れるんだもの。