もう1度、あの恋を





奏太は、私の前の彼氏。


そう、中学生の頃の。




あの時は、みんなが子供で、気持ちも幼くて、
けど、今思うと"好き"と言う気持ちに変わりはなかった。




なのに、すれ違い。





いや、あれは私のせい……?




まあ、もう終わったこと、だし。




あの日を境に、奏太は私のことを避けてるけど、別に、どうも思わないよ。







過去の事は忘れよう。





そう決めているんだから。






「靴履き替えたー?」


朱里が、足をとんとんっとしながら私に視線を向けている。



「今行くー」


私は、パタンっと閉めてから、朱里の方へ歩く。奏太の横も普通に通る。








だって、忘れるんだもの。












< 10 / 202 >

この作品をシェア

pagetop