もう1度、あの恋を
「ねえっ美月ってさ、奏太くんとキスしたの?」
まだ男好きになる前の朱里。
笑顔が可愛らしくて、その時から結構モテていた。
そんな朱里からの質問に私は、水を吐き出しそうになった。
「……はぁ? 何言ってんのよ」
ゴシゴシと、少し零れた水滴を拭きながら私はジト目で朱里を見つめる。
「でもさっ、幼なじみから彼氏彼女になるって、難しくない?? なにか関係変わるの?」
「ん~、でもやっぱり、手を繋ぐのとか……さ、そーゆーのは前と違うんだなって思う」
私が少し視線を外して、そう言うと朱里はニヤっと笑い出して楽しそうな顔をした。
「美月、良かったじゃんっ」
その言葉に、私は微笑んだ。