もう1度、あの恋を
朱里と、カフェに入ってそれぞれメニューを見て最初に、飲み物を頼んだ。
私も朱里も、アイスティーを頼み、
ご飯が運ばれてくるのを待っていた。
携帯を触っていた朱里は、携帯を置くと、
アイスティーの入っているコップに触った。
ストローをくるくる回しながら、窓の外を見ている朱里。持っているコップからは、氷のぶつかる音が聞こえていた。
「……帰りさぁ、奏太くんのこと
ばっちり、見てたよね〜」
「……っ、え?」
突然の言葉に、声を出すと朱里は、クルリと私の目をジッと見つめた。
「好き、ならそう言えばいいじゃん〜」
朱里は、そう言うと、ストローを口の中に入れた。ごくんっと、飲み込む音が聞こえた。
「……好きでもいいけどぉ、
美月は、傷つけられたんでしょ〜?」
その言葉に、ビクッときたけれど、私は
店員さんが私たちの料理を持って来るのを
見つけてからゆっくり口を開いた。
「別に、好きじゃないよ。
ただ目の前にいただけ」
私が、ニコッと微笑んでそう言うと、案の定、店員さんが私たちのテーブルの前で止まった。