もう1度、あの恋を
その声にびっくりして、ガタッと椅子から立ち上がり、携帯を握りしめる。
「朱里……!?」
「……み、みつきぃ~。
ちょっ、離してよぉ!」
朱里は、私の呼びかけが聞こえたのか、私の名前を呼んだ。その後に男の声も聞こえる。
「……え? 今、どこにいんの?」
「駅前のパチンコ……っ、離してってばぁ!」
場所を聞くと、私は、上着を着てからすぐに
靴を履いて家を出た。
走ってその場所まで走ると、男女の喧嘩の声が聞こえている。多分、あれが朱里たちだ。
かけると、男の人は朱里の腕を引っ張っていて
朱里は、嫌がっている。
「ちょっと、何してんの?」
そう言って、2人の中に割り込むと、
2人は、私のことを見た。
「…美月ぃ…!」
朱里は、私のことを見ると、嬉しそうに微笑んだ。私は相手の男をジロリ、と睨む。