もう1度、あの恋を
朱里は、戻ってくるなり、私の席の前に来て顔の前でお願いのポーズをした。
「なんかぁ、別のクラスの子とさぁ遊ぶんだけどねぇ、1人女の子居なくてだからお願いっ、」
「それって、私に来いって言ってる?」
「来てくれるでしょ~?」
朱里は、手の横から大きな目をパチパチさせながら顔を出してきた。
はぁ、仕方ない。
私は、携帯を開き、メッセージを見る。
"早く帰って来なさい"
お父さんからのメッセージで、私は、首をかしげる。でも、朱里が困ってるなら、まあ行ってあげたいし…。
門限までに帰ればいいし、ね。
「はいはい、わかったよ」
そう言うと朱里は、嬉しそうに笑った。