もう1度、あの恋を
「……っ、あぶね〜」
そう言って抱きしめてる力を強める。
バタバタ、と走っていく男子の足音。それが聞こえなくなると力を弱めていった。
「……あ、いきなりごめん…!」
そう言ってペコッと頭を下げる澤田くん。
「えっ? あ、全然…!ありがとう…!」
私はお礼をいうと澤田くんは、顔を上げてホッとしたような顔をした。
そして、教室へと戻る道。
私は澤田くんの後ろを歩いていた。
「雄輔、お前今度また家来いよ!」
「雄輔〜!!この間はありがとな!」
いろんな人に話しかけられてる澤田くん。奏太とは大違い。
こんなに明るく、人気者ではない。
「美月さぁ、ほんとにあのこと引きずってないなら澤田くんのこと好きになればいいんじゃないの〜?」
ふと、朱里の言葉を思い出す。