もう1度、あの恋を
「やめ……っ、て…」
私がそう言いながら奏太の胸をドンッ通すと切なげな顔をして私を見ていた。
「最初も最後も、やめてかよ。
……こんな関係早くやめたかった」
奏太はそう言うと、私とは反対方向に歩いていってしまった。
動けなくなり、その場に立っていた。
なんでそんなに傷ついた顔をするの、奏太。
「……うっ……うぅ……っ」
自分から言い出したことなのに、涙が止まらない。
私は、家に入ってから、お父さんと顔を合わせずに部屋に行ってしまった。
唇に手を当てると、手に血がつく。
噛んでしまったから
こんな終わり方最悪だ……
私たちの最後のキスは、血の味。
ごめん。奏太ー。