もう1度、あの恋を
次の日、いつものように起きて、家を出た。
お父さんは先に行ってしまい、静かな空間でのご飯は久しぶりだった。
歩いていると、後ろから声がし、
「美月~、おはよぉ~」
そう言って私の隣に来るのは朱里だ。
「おはよ」
「昨日どうだったぁ~?
待ってたのにメールくれなかったでしょ~」
そうだ。
結局メールしてなかったんだ。
「あー……、ごめんごめん
デートって言われたよ」
「だから言ったでしょ~?
で、いい感じだったぁ?」
私の答えに、楽しそうに返してくる朱里。
昨日の帰りあんな事があったなんて知らないから。言ってないから。
「そんなのあるわけないでしょ」
私は、バッサリとそう言うと歩くスピードを速めた。
「えー?つまんなぁーい」
朱里は、そう言ってから、私の少し後ろをゆっくりと歩いていた。