もう1度、あの恋を
その後も、朱里は、後ろから私に何か話しかけているようだけど、私は適当に返していた。
すると、いきなり静かになった朱里に、疑問を持ちながら、ペースを落とさず歩いていた。
「……あ、奏太くんだ」
けど、朱里のその言葉に、足が止まる。
私の横を、友達と通り過ぎて行くのを私は横目で見た。
いつもなぜか合っていた目は、合わなかった
そりゃ、そうか
だって、もう終わりにしたんだもん
「………え、ちょっとぉ、美月?」
立ち止まって動かない私を、心配して駆け寄る朱里。いつもなら、「大丈夫」って、すぐ笑えるのに。
「……うっ、……うぅ……」
我慢してた涙が止まらない。