もう1度、あの恋を






その後も、朱里は、後ろから私に何か話しかけているようだけど、私は適当に返していた。



すると、いきなり静かになった朱里に、疑問を持ちながら、ペースを落とさず歩いていた。












「……あ、奏太くんだ」



けど、朱里のその言葉に、足が止まる。







私の横を、友達と通り過ぎて行くのを私は横目で見た。





いつもなぜか合っていた目は、合わなかった





そりゃ、そうか






だって、もう終わりにしたんだもん






「………え、ちょっとぉ、美月?」



立ち止まって動かない私を、心配して駆け寄る朱里。いつもなら、「大丈夫」って、すぐ笑えるのに。






「……うっ、……うぅ……」






我慢してた涙が止まらない。








< 77 / 202 >

この作品をシェア

pagetop