ずっと、キミが好きでした。


「ほら、やるよ。好きだろ?これ」



次に大雅がビニール袋から取り出したのは、ペットボトル入りのジュース。



「なに?」


「ミントサイダー」



ミント、サイダー?



「好きとか言った覚えはないんだけど。誰かとカン違いしてない?」


「はぁ?してねーよ。お前の好きな味だと思うから、飲んでみろってことだろうが」


「それならそう言ってよ」


「いいから飲んでみろって」



面倒くさそうに言うと、大雅はぶっきらぼうに私の手にペットボトルを押し付けた。


勝手だなぁ、もう。


なんて思いながらも、どんな味なのかが気になったのですかさずペットボトルの蓋を開ける。



「わ、ミントのいい香り」


「だろ?うまいから飲んでみろよ」


「うん」



そう思って口に入れた瞬間、強烈なミントの味が口の中に広がった。



「ぶっ!ゲホッ、ゴホッ……ッ!な、なにこれ!」



鼻の中にまで匂いが広がって来て、思わず涙目になった。


とてもじゃないけど、美味しいとは言えない強烈な味だ。


っていうか、ミントの葉を粉にしてそのまま入れただけのような甘みもなにもない味。


正直いって、激マズ。



「ぶはっ、ダマされてやんの!はははっ、しずの顔!おもしれー!」



お腹を抱えて大笑いする大雅の茶髪が、振動で揺れている。


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