ずっと、キミが好きでした。
「バカな誰かさんがまだ残ってるんじゃないかと思って。ほら、差し入れ」
机の上に置かれたビニール袋。
「わ、ありがとう。しかも、こんなにたくさん」
その中には栄養ドリンクやカロリーをチャージできるお菓子、チョコやホットティーが入っていた。
「一生懸命やんのもいいけど、少しは休まないと倒れるぞ」
「うん、ごめんね。藤里君って、意外と優しいんだ」
「4年も一緒に仕事してんのに、今さらかよ!」
「あは、ごめんごめん。いただきまーす」
冗談交じりに藤里君と絡んで、チョコをひとつつまんだ。
「うーん、美味しい。やっぱり冬のチョコはやめられないね」
「だよなぁ。俺も甘い物好き」
「美味しいよね」
他愛ない話をしながら、片付けを始める。
今日はもう、ここまでにしよう。
「あのさ……」
「ん?」
突然かしこまった声を出した藤里君に首を傾げる。
「アメリカにいる彼氏とは……その、うまくいってんの?」
「え……?」
なんで藤里君がそれを知ってるの?
「ごめん……江田(えだ)に聞いたんだ」
藤里君は申し訳なさそうに眉を下げた。
「そうなんだ。江田ちゃんめ……」
「俺がしつこく聞いて渋々教えてくれたようなもんだから、江田のことは怒らないでやって」
うつむき気味にボソボソ話す藤里君は、これまでに見たことがないくらい真剣な表情をしていた。