[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。
「いやー、どうもどうも。やっと先週、奈津美が俺の告白を承諾してくれて」
「奈津美ちゃんも、おめでとう!!」
大村君と握手していた手を離してから私は奈津美ちゃんの両肩を掴んで軽く揺さぶった。
すると奈津美ちゃんは少しびっくりしたような顔をする。
「…黙ってたこと、怒ってないの?」
「え、なんで怒るの?いつ友達に恋人出来たことを報告するか、とか自由なのに。奈津美ちゃんなりにタイミング計ってたんだよね?」
首をかしげつつそう言うと奈津美ちゃんはとまどいがちにうなずいた。
「どこにも私が怒る理由なんてないよー。本っ当におめでとう、奈津美ちゃん!!」
また笑顔で『おめでとう』と言うと大村君が奈津美ちゃんに向かってポツリと言った。