甘い恋じゃなかった。
「桐原さん?」
「なんだよ」
でも、次の瞬間にはもういつも通りの桐原さんに戻っていた。
「…いえ、何でもないです」
「は?なんだそりゃ。
じゃ、俺もう寝るわ」
「え」
飲みかけのミネラルウォーターを冷蔵庫にしまうと、さっさと自室に戻ってしまう桐原さん。
パタン、とドアがしまって、私は拍子抜けした気分だった。
なんだ、もう少し話聞いてくれるかと思ったのに。
ふぁ、と欠伸が出た。
時計を見るともうそろそろ日付を跨ぐところだ。
…私も寝よ。
明日こそ、牛奥と話せるといいな。