溶ける部屋
あたしが布団にもぐると、健が同じように布団に入って来るのがわかった。


「なんか、今日は緊張するな」


健が呟く。


「健も?」


「なんだ、明日花もか」


健はそう言い、少しだけ笑った。


布団の中で手が繋がれる。


一瞬驚いたけれど、あたしはその手を握り返した。


「緊張した者同士、ゆっくり寝ようぜ」


健がそう言うと急に眠気に襲われた。


今日は色々あったし、緊張で眠れないかもしれないと思ったけれど、あたしはスッと目を閉じたのだった。
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