天国の不動産



“淋しがり”


その言葉に少しだけ違和感を覚えた。



人と関わることをあまりしてこなかった。



人と関わるのが苦手だと思っていた。




そんな自分が淋しがりだとは思わなかった。




「あなたはなぜ生界へ降りているのですか?一度原点に帰って考えてみてはどうですか?初めて生界へ降りる時、あなたは私に目的を教えてくださいました。その時、何と言いましたか?あなたが生界へ降りる目的は何でしたか?」




「一番最初…」




始めは生界へ降りるかどうかも迷っていた。



同じ時期に天国に来てしまった人たちと話をして、たくさんの言葉をもらった。




誰からも忘れられたくない人。



誰に忘れられても良いから、自分の子どもを一目見たい人。




愛する人を信じて天国で待つ人。




たくさんの言葉をもらって、僕は何を決めた?




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