memory〜紅い蝶と私の記憶〜
…あ、そうだ。


「幸助先輩、お兄ちゃんはどこ行ったんですか?」


ずっと気になってたんだよね。


タイミングなくて全然聞けなかったんだけど。


「星希なら…」


幸助先輩の言葉に被せるように、勢いよく扉が開いた。


入ってきたのは、嬉しそうな顔をするお兄ちゃんだった。


「みんな!!やったぞ!」


「一体何があったんですか?」


「そうっすよ。いきなりいなくなるし!」


「いい事でもあったんですか?!」


各々の言葉にお兄ちゃんはニヤニヤ笑うばかり。


私もお兄ちゃんが何でそんなに嬉しそうなのかすごく気になる。


だけど…私は知らなかったんだ。


お兄ちゃんが持ってきたその件で、私の幸せが崩れ始めることに…。








< 119 / 344 >

この作品をシェア

pagetop