memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「お兄ちゃん。私も片付けて手伝ってくるね」


「ん?ああ。…あっ、星南」


「何?」


もうみんな片付け始めてる。


早く手伝わないと終わっちゃうんだけど…。


幸助先輩たちも手当てしに幹部室に行っちゃったし…。


「部屋にいろって約束守れなかったからな。後で説教な」


「うげっ」


忘れてた〜っ!


うぅ…説教嫌だな…っ。


…よし、現実逃避をしよう!


「雑巾まだ余ってるー?」


「え?!星南さん?!いやいや!何しようとしてるんすか?!」


「何って…片付け?」


だから雑巾で血を拭いていこうと思うんだけど…。


「いやいやいやっ?!やらなくていいっすよ!」


「そうですよ!片付けは俺たちがやるんで!」


「みんなケンカした後で疲れてるでしょ?私は何もしてないし、それくらいはしないと」


逆に迷惑かけた側ですしね。


それくらいはやらないと。


それに、ここは私の大切な居場所なんだもん。


私も綺麗にしたいし、守られてばかりの姫は嫌だからね。







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