memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「かっこ悪いところ見せちゃってごめんね?…じゃ、帰るね。また明日」


「あっ…」


1回も、振り返ることもなく去っていった。


それが悲しくて、自分のしたことに罪悪感を感じて。


帰ってきた私に声を掛けるお兄ちゃんを無視して部屋に閉じこもった。


何か叫んでるけどスルー。


明日文句を聞くから今だけは許してもらおう。


反応のない私に、諦めたのかお兄ちゃんの声は聞こえなくなる。


静かになった部屋で考えるのはやっぱり昶のことで。












< 174 / 344 >

この作品をシェア

pagetop