memory〜紅い蝶と私の記憶〜
第九章

思うは懐かしい

「っ星南!!!」


大声で名前を呼ばれたかと思うと、いきなり抱きしめられた。


いきなりのことに固まるしかなくて。


それは私だけではなく、moonのみんなも同じみたいで。


絶対離さないというように、ぎゅぅっと強く抱きしめられる。


初めて会うはずなのに…。


すごく心地よくて。


懐かしくて。


もう、離さないで、なんて。


そう思ってさえしまう。


すごく、安心する。


この背中に…手を回したい。


手を伸ばしかけた瞬間、勢いよく後ろへと引っ張られる。


「…っ昶?」


その正体は、いつもの穏やかな顔はどこへいったの?と疑いたくもなるほど、紅蝶を睨んでいる昶の姿。


こんな昶は初めて見た。


それはお兄ちゃんたちもそうみたいで。


目を見開いてこちらを見てる。









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