memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「星南!!」


「あっ…」


「大丈夫かっ?!」


闇の中に一筋の光。


その光から現れたのは、ずっと、心に描いていたあなたでした。


「つき…じっ」


「怪我は?」


「っお腹蹴られて…っ」


優しく触られただけなのに、ビクリと揺れ、涙を流したのを見逃さなかったのだろう。


だんだんと殺気が増して…。


殺気?


なんでそんなのがわかったんだろうか。


「俺がきたからもう大丈夫だっ」


ギューっと抱きしめられて、蹴られたお腹が少し痛んだけど、でも、それ以上に築路が来てくれたっていうことがすごく嬉しいっ。








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