memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「あっ」


「どうした?」


「栞ちゃんの後ろにいる2人。私を攫った2人だよ」


どうしてそんな2人と栞ちゃんが?


そういえば、意識を失う前に栞ちゃんの声が聞こえたような…。


とりあえずみんなを止めないと!


このままだとケンカになっちゃう!


「待て」


「っ!なんで止めるの?!」


築路の仲間もいるんだよ?!


「今入ったら巻き込まれる」


「でも!」


「星南は!星南はmoonの姫でも、俺たちが守る一般人と一緒だ!」


あ…。


そうだ、私はケンカが出来ない。


行ったところで、人質に取られるか、足でまといだ。


私は…何も出来ないっ。


「大丈夫だ。タイミングを見て俺が行く。だから安心しろ」


「…うん」


moonも、紅蝶も大切なのに。


私は、みんなの足でまといでしかないっ。








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