memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「私が記憶を失った原因の階段から落ちた件だよ」


「そうそれ!紅炎は1番上の段から落ちても審査員も満点を出すくらいキレイな着地をするし」


「車に引かれそうな猫も無傷で救出!」


「おまけにカツアゲされてる一般人を助けるために、1人で大人数を撃退するんや」


…そういえばそんなこともあったなぁ。


てか、みんななんで知ってるんだ?


近くにいなかったよな?


「何が言いたいかって言えば、紅炎が階段から落ちるのはありえないってことだ」


「え?じゃあ、なんで…」


「まさかっ」


お、幸助先輩は気づいたようだ。


でも他の3人は気づきそうにない。


特にお兄ちゃん。


「そう。私はそこにいる栞ちゃんに突き落とされて、事故に遭ったの。一応受け身はとったけど、打ちどころが悪かったみたいでね」


いやー、普段なら着地するんだけど。


完全に油断してたんだよな。


おかげで記憶は失うし。


本当、災難続きですよ。










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