memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「やーっぱり!」

「しおちゃんって」


「「怪しいと思ってたんだよねー!」」


え?


「だーって、しおちゃん楽しそうじゃないしー」


「たまーにこーんな顔して周りを見てたもん」


眉間にシワを寄せ、怖い顔を作る太陽。


でもその顔に私も見覚えがあった。


「…俺はずっとスパイだと疑っていた」


…え?


待って、そんなの初耳だ。


それはみんなも同じようで。


「「え、気づいてたの?!」」


「聞いとらんで?!」


…混乱しております。


特に庵さん。


一応副総長だもんねー。


「…あ、でも、私も薄々気づいてたかも」


「はぁっ?!?!」


いや、そんなに驚かなくても。


「だって、あんなに殺気丸出しの視線に私が気づかないとでも?」


「…そんなに殺気丸出しとったか?」


…こやつは。











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