memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「俺はれっきとした紅鬼の影、紅炎だ」


「俺…?」


あ、そっか。


紅炎は喧嘩では顔も出さなければ、声も発しない。


だから誰も知らない。


会ったことのあるものでさえも。


「…紅炎は外では男口調だ」


「もし女ってバレたら〜」

「それをネタに脅されたり〜」

「「舐められたりするからね〜!」」


「まぁ、紅炎に限って殺られたりとかはないさかい心配はしとらんがな」


…順番にありがとう。


信じてくれるのは嬉しいけど、少しは心配してほしいわ。


「まぁ、お兄ちゃんたちからしたら、〝いつもの私〟の方がいいよね」


「あ、星南に戻った」


もう苦笑いしか出ないよ。


「えっと何から話そうか。何がいい?」


「何がいいってお前な…」


だってさ、お兄ちゃん。


聞きたいっていうことがいっぱいありすぎて、何から話すか迷ってるんだよね。













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