memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「おーい、2人の世界に入んなや」


「そうだよーmoonさんはー」

「初めて見るんだからー」


そうだった!!


みんながいるんだった!!


つき君が離れた瞬間、見えてしまった昶の悲しそうな顔。


そうだ、私にはまだやるべきことがあるんだ。


「ごほんっ。まぁ、それもあって全てが嫌になっていたのもあったから、記憶喪失になったんだと思う」


でも記憶が戻って本当によかった。


こんなに愛おしい人を忘れたままなんて辛すぎる。


「…星南は、前の学校に戻るのか?」


「あ!そうっすよ!記憶が戻ったっていうことは紅蝶に戻るんすよね?!moonには…もうこないんすか?」


そっか、今後どうするかも決めないといけないのか。


ちらっとつき君を横目で見る。


つき君のそばにいたい。


だけど…。


「…星南の好きなようにしたらいい。離れていても、すぐに会える距離にいてるから」


つき君…ありがとう。


大好きだよ。














< 324 / 344 >

この作品をシェア

pagetop