memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「それと、庵は笑いすぎだ」
まだ笑い転げている男の子に1発蹴りを入れると、思い出したように女の子を見た。
聞こえないくらいの声で「ひっ」と変な声が出てしまったのはご愛嬌だろう。
「大丈夫?怪我とかしてない?」
さっきまで男を脅していた人と同一人物か疑いたくなるような優しい声。
その声に、今まで張り付けていた糸が切れたように涙が溢れ出してくる女の子に驚いたのか、フードを被った〝男の子〟が走り寄ってくる。
その拍子に被っていたフードがパサりと脱げ落ちた。
風になびくその〝長い髪〟にキレイな顔立ちは…。
「やっぱりどこか怪我してるの?!」
「…っお」
「お?」
「女の子っ?!!?」
女の子の言葉に〝少女〟は頭を触る。
そこには布の感触はなく、あるのは自分の髪の感触。
まだ笑い転げている男の子に1発蹴りを入れると、思い出したように女の子を見た。
聞こえないくらいの声で「ひっ」と変な声が出てしまったのはご愛嬌だろう。
「大丈夫?怪我とかしてない?」
さっきまで男を脅していた人と同一人物か疑いたくなるような優しい声。
その声に、今まで張り付けていた糸が切れたように涙が溢れ出してくる女の子に驚いたのか、フードを被った〝男の子〟が走り寄ってくる。
その拍子に被っていたフードがパサりと脱げ落ちた。
風になびくその〝長い髪〟にキレイな顔立ちは…。
「やっぱりどこか怪我してるの?!」
「…っお」
「お?」
「女の子っ?!!?」
女の子の言葉に〝少女〟は頭を触る。
そこには布の感触はなく、あるのは自分の髪の感触。