memory〜紅い蝶と私の記憶〜
あんなに怖いと、恐怖でしかなかったのに、情けない男の逃げる姿に女の子は呆気に取られるしか無かった。


それもそのはずだ。


男に向けられていた殺気を、女の子には向けられていないのだから。


「あっはっはっ!!」


そこに男の笑い声が響く。


どうやらツボったようで、目に涙を溜めては大爆笑している。


「さっすが!」

「僕たちの女神さま!」


男の子にしては少し高めの声と同時に拍手が起きる。


「…お前…あの脅しはやりすぎだ」


次に現れたのは、他の3人とは違う落ち着いた雰囲気の男の子。


現れた男の子たちに女の子は頭の上にハテナを浮かべる。


「晴天、太陽。女神さまは違うから」


どっちかっていうと、死神だろう。


自分でそういうのだから、困ったものだ。


それが例え本当のことだとしても。


「築路、やりすぎの方がいいんだよ。そうした方が、怖がってもうやらないだろ?」


フードを被った〝男の子〟はそう言ってニヤリと笑う。











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