memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「危険だけど、その時はお兄ちゃんが助けてくれるんでしょ?」


「それはっ!もちろんだが…っ」


もー、まだ言うか!


私がいいって言ってるんだがらそれでいいじゃん。


「お兄ちゃん、私はね、別にお兄ちゃんや幸助先輩に言われたから姫になりたいって言ってるんじゃないよ?」


「へ?」


「姫になるってことはここに出入り出来るってことでしょ?」


きょとんとするお兄ちゃん。


あれ、違うの?


「出入り出来ますよ」


「あ、ありがとうございます」


幸助先輩って私の考えていることがわかるのだろうか。


さっきからすごく助けてくれるのですが。


「私ね、ここが…moonがすごく気に入ったの。記憶がないのに偏見もしないですぐに受け入れてくれた」


それはお兄ちゃんの妹だったからかもしれないけど。


理由はどうであれ、受け入れてくれたのは本当だから。



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