人事部の女神さまの憂い

思い返せば、いつも藤木さんは私が大変だったり、へこんでたりする時は助けてくれていた。新人の頃、仕事がうまくいかずに悩んでる時も、ストーカーで困ってた時も、柏木さんのことで落ち込んでるときも。

いつだって私自身が納得のいくようにって考えさせてくれて、その上で動いたりもしてくれた。私にはそれがとても心地よかったし、安心して成長することができていたのだ。


私の心の中のポジションでいうと、柏木さんとはまた全然違うところにいる。
柏木さんが木の実なら、藤木さんは土台となる根っこって感じ。心を広く覆ってくれている、そんな存在。


多分、あの女癖の悪さを目の当たりにして入社早々、そういう対象として見ないようにしてた。



< 419 / 471 >

この作品をシェア

pagetop