くれなゐ症候群
赤と黒を基調にした装飾。
窓は一つも見当たらない。


なんらかの飲食を供する店だろうとは察せられる。

だが、席という席が、個室、あるいは壁のくぼみに作られ、ドレープ状の布や、ストリングカーテンなどで仕切られ、人目にふれないようになっている。


通りすぎざま、カーテンのすき間から、奥をうかがう。

薄闇のなかに、重なり合ったシルエットが見えた。

一組の、男女。
ほんの一瞬かいま見ただけで、ただよう雰囲気の濃密さを感じる。
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