君がスキだから
きっと。
そうして私たちは図書委員会になった。



けれど、想定していた事態はやはり起きて、

「ねぇねぇ、天谷さんってさぁ、園田くんに色目使ったー?」

「だよね!私も思った!じゃないとあんなかっこいい園田くんがさ?天谷さん誘うなんておかしいよね!だってあの子普通だもん。」

「だよね!普通だよね!」

「え、あの噂ってまじ?」

(失礼な!人のことを普通普通普通って!知ってるし!そんなの!)


「天谷さん、どうしたの?顔怖いよ?」

(あなたのせいなんですけど!なんて言えないし…)

「なんでもないよ。ちょっと疲れただけ。図書委員会ってこんなことしてるだけ?」

「うん。楽でいいでしょ」

私たちがしてるのは来館人数を数える。ただそれだけ。

「なんか意外だなぁ…」

「ん?なにが?」

「いやぁ、もっと真面目なイメージ。」

「あぁ、図書委員会の仕事?」

「いや、それもだけど、園田くん。なんかもっと真面目なこと必至にしてそう。」

「俺が?あはは!ないない!俺基本面倒くさがり。好きな人に対してはそんなことないんだけどねー。なーんて。」

なにこれ…なんで私今…
少しドキドキしてるの?
なんでそんな顔するの?

まつ毛長…目も綺麗…

かっこ…いいな…。

「え!待って?!なんで黙るの?!やめて!笑ってよー!俺恥ずかしいよー」

「え?あぁ、なんかごめんね。えへへ」



きっとこの時からだ、彼に少しずつ惹かれ始めたのは。
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