黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時



季節は移り替わって6月になった。

梅雨入りしたはずなのに、太陽がジリジリと熱い。


雨なんて6月に入ってから1度も降っていない。

制服もブレザーを脱ぎ夏服に変わった。


紬を集合場所まで送り届けてから、私も学校に向かう。


あれからお父さんは休みがないみたいで、また夜遅くに帰ってくる日々。


お母さんも深い眠りについていて、ケンカをすることはない。

だからまだ話は進んでいないと思う。



「えっ」


時間を確認しようとスマホを取り出すと玲奈ちゃんからメッセージが入っていた。

それを見て固まる。



《風邪引いちゃった…。熱もあるから今日は学校休むね》


そんな文字が並べられている。

玲奈ちゃんが風邪引くなんて、しかも休むなんて。



今日の学校は寂しくなるなぁ。


なんて考えながら学校に行く。

教室に入って、自分の席に着くと隣には机に突っ伏して寝ている芹沢くん。


いつも寝ている気がする。




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