黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
進級して3日目。
私は高校3年生になった。
高校生最後の年だけど、楽しむ気なんてさらさらない。
友達がいないわけではなく、これからの人生に大きく関わるこの時を無駄に過ごすわけにはいかないってだけ。
確かに固定の友達がいるわけではないけど、今までやり過ごしてこれたし何一つ不自由していない。
この高校で過ごすのも3年目ということもあり、同じクラスになったことない人でも顔は知っている人がほとんど。
昨日席替えもして、出席順はぐちゃぐちゃになっているけど、ある程度はみんな分かる。
「ねぇ」
窓側の一番後ろという最高の席をゲットした私の元に、突然来たかと思うと声をかけられた。
伏せていた視線を上げると、大きなクリクリの瞳に捉えられる。
生まれつきなのか色素の薄く茶色がかったくるくるの長い髪を2つに結んでいて、整った顔立ちをしている。