黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
玲奈ちゃんに言おう。
そう決めたのになかなか言えないまま、時間だけが過ぎて行った。
もうあれから2週間は経った。
文化祭、体育祭と言った学校行事はあっという間に過ぎ去り、受験一色。
もう合格してる人もいるけど、四大はまだ先で就職組の試験がもう始まる。
「んー……」
私は就職すると決めてから、未だ場所は決まっていない。
決めたらそこで一生働くつもりで考えてるんだけど、そうなるとなかなか難しい。
「まだ決めてねぇの?」
今登校してきたのか、芹沢くんがカバンを机の横にかけながら聞いてくる。
私は頷いて、机に突っ伏す。
「決まんない」
「絵は?」
「え?」
「絵だよ。好きなんじゃねぇの?」