黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
「はい」
「ありがとう」
「どういたしまして」
ニコッと微笑む。
いつもニコニコしているみたいだけど、楽しい時や嬉しい時はもっと笑顔が深くなる。
その時に出るえくぼがかわいさをより表しているようで。
玲奈ちゃんはやっぱり、私とは違う。
裏表がなくて、思ったことははっきり言える。
きっと両親に大切に育てられてきたんだなって思う。
私と違って、たくさんの愛情を受けながら。
それで、こんなにかわいい玲奈ちゃんという人間が出来上がったに違いない。
玲奈ちゃんと私は違うから、友達としてのバランスは釣り合わないかもしれない。
明るい世界にいる幸せ者の玲奈ちゃんと、暗い世界にいる不幸せな私。
初めて話してから2日目。
息苦しかった私の日々に急に割り込んできた玲奈ちゃんは、あっさりと私の壁を壊しにかかる。
そんな玲奈ちゃんは、私の暗い世界に小さな光を灯してくれた。
初めて特定の人と一緒にいたいと思ったんだ。