黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
家に帰ってから、すぐに家族会議になった。
紬は眠たそうだったから、お風呂に入れて寝かしつけてからお父さんとお母さんと私の3人で話し合う。
「2人とも、今まですまなかった。散々迷惑かけたな」
お父さんの言葉にお母さんは俯く。
私はお父さんの言葉に耳を傾ける。
「さっき2人で話し合った結果、やっぱり離婚することになった。オレが気づかないばっかりに、不安にさせてしまって本当に申し訳ない」
そっか、離婚するんだ。
それほど驚くことはなかった。
けど、私はどうすればいいんだろうか。
「あまりにも距離が開きすぎてしまった。勝手な両親で雫にはどう謝ればいいのか分からないが、理解してほしい」
「うん」
「わたしも紬にはひどい態度を取ったからこれからどう接すればいいのか分からない。気にしないって言っても、わたしはまたあんな態度を取るかもしれない。雫にも」
お母さんは泣きじゃくってすっきりしたのか、腫れた目をしていても落ち着いていた。
こんなに穏やかなお母さんは久しぶりかもしれない。