黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時




「一応お願いしておいたけど、そこからは雫次第だからね。頑張りなさいよ」


「頑張る!お母さん大好きっ!」


「もうっ……」



私の言葉にお母さんは目に涙を溜める。


そして、すぐに零れる涙を拭って笑って見せてくれた。



全部全部、心の奥底を見せなきゃできなかった。


お母さんの本音を聞けたから、こうやって今を笑って過ごせている。




私はこれからも頑張るから。


ケンカする時もあると思うけど、その度にちゃんとぶつかりにいくから。


だって、私たちは家族だもんね。




「今日は一緒に寝よっか」


「えーもう高3なのに恥ずかしいよ」



そう言いながらも、10年ぶりくらいにお母さんと一緒に寝た。


こんなに心休まる睡眠は、10年ぶりだった。





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