黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
「行ってきます」
「気をつけて行ってらっしゃい」
「はーい」
季節は秋を過ぎた。
初冬っていうのかな?
つい先日まで赤い綺麗な葉をつけていて木は、葉が落ちて質素になっている。
寒くなり、少し早いかな?と思いつつマフラーをつけて登校する。
マフラーを口元まで上げて、ニヤけ顔を隠す。
もうお父さんと紬は別の家に引っ越した。
紬は泣いて大変だったけど、小学校は変わらないくらいの距離だから、本当に会いたかったらいつでも会えるんだ。
お母さんと2人暮らしも少しずつ慣れてきた。
仕事を調節して、朝は絶対に見送ってくれる。
だから逆にお母さんの帰りを私が迎えるんだ。
そんな今の生活には、お父さんと紬がいなくて寂しいけど、すごく満足している。