黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時



「行ってきます」


「気をつけて行ってらっしゃい」


「はーい」



季節は秋を過ぎた。


初冬っていうのかな?

つい先日まで赤い綺麗な葉をつけていて木は、葉が落ちて質素になっている。



寒くなり、少し早いかな?と思いつつマフラーをつけて登校する。


マフラーを口元まで上げて、ニヤけ顔を隠す。



もうお父さんと紬は別の家に引っ越した。


紬は泣いて大変だったけど、小学校は変わらないくらいの距離だから、本当に会いたかったらいつでも会えるんだ。



お母さんと2人暮らしも少しずつ慣れてきた。

仕事を調節して、朝は絶対に見送ってくれる。


だから逆にお母さんの帰りを私が迎えるんだ。



そんな今の生活には、お父さんと紬がいなくて寂しいけど、すごく満足している。





< 323 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop