黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時




一過性の気持ちなのかもしれない。


何度もそう思ったけど、違ったらしい。




「今日テスト返ってくるね。ドキドキだよ」


「でも、あれだけ頑張ったんだからきっと大丈夫だって!」


「雫ちゃんが教えてくれたんだもんね!ノートもありがとう。すごく役に立ったよ。それに、うさぎちゃんがかわいかった!」


「俺のは猫だったな」


「2人のイメージの動物だよ」




登校中。
3人並びテストの話をしている。


放課後に勉強するようになって1か月が経ち、先週一定が終わった。


私は2人のために要点をまとめたノートを渡したんだ。

文字ばっかりじゃ疲れると思って、2人のイメージの動物を描いて解説してある。



ノートをまとめる私も楽しんでできたんだ。




「宮野さんって絵、上手なんだ」


「描くのは好きかな」



森田くんに話を振られて、ドキッとしながらも表情に出さずに返す。

森田くんのことを好きだと自覚したあの日から、気持ちは消えることなくむしろ膨らんでいる。




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